新しいサーバーにOSをインストールする必要がありました。最近は社内サーバーをMAASで管理しているので、基本的にはMAASでデプロイします。しかしMAASで使っているネットワーク以外を利用したい場合、管理下から切り離して後は何らかの方法でOSのデプロイなどを実行することになります。
コロナ禍以前はオフィスに出社していたので、サーバールームに行ってDVDメディアかUSBブートでインストーラーを起動してOSセットアップという芸当ができましたが、引っ越ししたのもあって在宅ワーク中心になった現在はその方法は取れません。
大抵のサーバーにはリモートコンソールがあって、何らかの方法でイメージをマウントしてOSをセットアップする仕組みが備わってはいるのですが、OSによってインストールイメージがものすごく巨大だったりするため、その場合は現実的ではありません。
HPEのサーバーの場合は、スクリプトメディアURLの方を使うとインストールイメージがVPN越しじゃなくなるようです。ただ、これでもそれなりの時間がかかって、結局この方法でインストールするのは諦めてしまいました。
大抵のLinuxディストリビューションはネットワークインストール用のISOを提供しているのでそれを使えばいいのですが、Ubuntuは基本的にはフルインストーラーしかないのですよね。例えばUbuntu 24.04の場合、デスクトップ版は5.8GB、サーバー版は2.6GBです。ディストリビューションによっては10GBを超えるISOが提供されたりしています。
例えばそのようなサイズのISOファイルをローカルISOイメージを使ってデプロイなんてことをしたら、インターネット&VPN越しにトラフィックが流れることになるので結構厳しいです。
そこで良い方法がないか探してみたら、良さげなものを見つけました。 netboot.xyzです。
参考情報によると、さくらのクラウドのパブリック ISO として登録されているようです。さくらさんが使っても良いといっているものなので安心しても良いだろう(多分)ということで、試してみることにしました。
ダウンロードページを見ると、いくつかのタイプのイメージが配布されています。私は「x86_64 Combined Legacy and UEFI iPXE Bootloaders」のISOイメージをダウンロードしました。
後はこのイメージをサーバーのリモートコンソールで「ローカルISOイメージをマウント」して、ブートオーダーを変えて起動するだけで、色々なOSをインストールできるようになります。
例えばUbuntu 24.04.1をインストールしてみました。最初にIPアドレスなどを設定するとインターネット越しからイメージをダウンロードしてインストーラーが起動します。あとは普通にインストールするだけでした。
ISOイメージは2MB程度なので、VPN越しでも待ち時間はほんのわずかです。ようやく今のリリースは提供されなくなった、UbuntuのMinimal CDから卒業できそうです。
https://help.ubuntu.com/community/Installation/MinimalCD
まあでも普段はMAASを使うので、このような対応を年に何回使うかは分かりませんけどね。 もしもの時には役立つと思います。
ちなみにnetboot.xyzはOSSで開発されています。その点も安心です。