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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 日本仮想化技術株式会社メールマガジン 仮 想 化 通 信 Vol.009 (2010/04/28) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■□ □■ メモリのオーバーコミットメントについての考察 ---------------------------------------------------------------------------- セミナー等でよくいただくご質問の中に、メモリのオーバーコミットメントの是非、 というのがある。ここで少し私見をまとめておきたい。 まず、メモリのオーバーコミットメントとは、物理メモリよりも仮想マシンに割り当 てた仮想メモリの合計量の方が多い、ということである。これを実現するには、以下 の2つが考えられる。 1. スワップアウト 2. 重複排除 スワップアウトは、当然ながら大幅な速度低下を招くため、できれば避けたいところ だ。そこでメモリの重複排除の機構を組み入れることになる。VMwareのvmkernelをは じめ、様々なハイパーバイザーが重複排除の仕組みを入れている。 ただし、注意しないといけないのは、重複排除で節約できるメモリの量は、それほど 多くはないということ、そしてちょっとしたシステムに対する変更で一気に重複の度 合いが下がってしまう可能性があるということだ。重複排除はあれば嬉しいが、ある タイミングでの節約度合いをシステム全体としてのオーバーコミットメント可能な量 と見てしまうと危険だ。 特に大幅な速度低下を招くのは困るような場合には、オーバーコミットメントはしな いようにメモリ設計を行うべきだろう。(宮原) ■□ □■ 12コアCPU、どう使う? ---------------------------------------------------------------------------- Magny-Coursこと、AMDの新型OpteronはCPUコアを12個も積んでいる。従来のサーバー のように2プロセッサを搭載すれば、24コアサーバーのできあがり。一昔前のデュア ルコアCPUから考えれば、実に6倍ものCPUコアを搭載していることになる。 CPUのコア数に合わせて、メモリも単価がかなり安くなり、1モジュールあたり4GBぐ らいが標準的になってきているので、32GBから64GBぐらいのメモリ容量も当たり前に なってきている。しかし、これらのCPUやメモリをそのまま仮想マシン上のサーバー で利用するとなると、今度は筐体自体に障害が発生した時の影響が大きすぎて、精神 衛生上よろしくない、ということにもなりかねない。仮想化に慣れたと言っても、ま だまだ魂を重力に引かれた状態からは抜け出せないと言うことだろうか。 とすると、12コアCPUの使いどころはどこにあるのか。最も活用できそうなのは、並 列計算が必要なHPC分野だが、仮想化とはあまり相性が良く無さそうだ。 もう1つは仮想デスクトップで、各デスクトップにできるだけ多くのCPUを割り当てた いとなると、CPUコア数は多い方がいい。もちろん、筐体がSPOFになるが、サーバー に比べると影響範囲が限定的だ。と言っても、障害が発生したときにデスクトップで 作業をしていた人にとっては、自分のデータがすっ飛んで行ってしまうことになるわ けで、不幸な人間をあまり作らないように、あるいはデータを自動セーブするような 設定にしておくことも大事だろう。 CPUやメモリなどの容量は、1つのレベルに達した観がある。今後の課題は、どこまで 仮想マシンの状態を取り戻せるのか、ログ機能的なものの開発が必要なのかもしれな い。(宮原) ■□ 技術部コラム □■ Red Hat Enterprise Linux 6 ベータ版リリース ---------------------------------------------------------------------------- 4月21日に、Red Hat Enterprice Linux 6のベータ版が公開されました。公開翌日に 4時間ほどかけてダウンロードして(海外のサーバからなので非常に遅い)、日々いじ くり回しています。RHEL6ベータ版は下記URLから無償でダウンロードできますので、 ゴールデンウィークの自由研究(?)にいかがでしょうか。 URL: http://www.redhat.com/rhel/beta/ さて、簡単な中身の紹介ですが、カーネルはRHEL5の2.6.18から2.6.32にバージョン アップしており、GUI等の雰囲気はベースとなっているであろうFedora12〜13と似て います。管理ツール(system-config-*系)などもRHEL5とは変わってきていますので、 Fedora等で最新の環境に触り慣れていない方は、今のうちに触っておくと良いかも知 れません。 仮想化関連ではXenパッケージが含まれなくなり、KVM1本となったようです。Xenから の移行には、私が2月の39セミナーで少し触れていた「virt-v2v」を使って変換を行 うようになる模様です。本当は、このvirt-v2vについて検証レポートというところま でご紹介したかったのですが、発行に間に合わなかったため、次号以降でご紹介でき ればと思います……。 さて、ベータ版と言うことで、やはり不具合がいくつか見つかっています。Twitter の #redhatjp ハッシュタグでは、バグ情報がゆるく共有されているので、興味のあ る方は覗いて見ると良いかも知れません。私も「ココの翻訳が変」とか「これは不具 合?」などとつぶやいたり、ハッシュタグをRSS購読して追いかけています。(大内) ■□ □■ あ と が き ---------------------------------------------------------------------------- 今回の仮想化通信はいかがでしたでしょうか? みなさまゴールデンウィークの予定はいかがでしょうか。私は宮原と2人?で、西武 鉄道線を乗り鉄すると言うマニアックな小旅行に行く予定です。最近は天気が変わり やすいので、雨に降られなければ良いですが……!? それと、仮想化通信ブログでは既にご紹介していますが、仮想人Tシャツに新色が登 場しました!通販も始めていますので、これからのシーズンにいかがでしょうか? 仮想人Tシャツ通販ページはこちら! http://virtualtech.jp/kasonchu/ それでは、良いゴールデンウィークを! ★次回の仮想化通信は5月14日を予定しています。 ---------------------------------------------------------------------------- ■メールマガジンについて 本メールマガジンは、弊社Webサイトから配信登録された方、イベント等で弊社ア ンケートにお答え頂いた方のうち、情報配信を希望された方にお送りしています。 ■配信停止/メールアドレス変更方法 メールマガジンの配信停止をご希望の方は、下記ページよりお手続きください。 メールアドレスを変更される方は、古いメールアドレスへの配信停止手続きをして 頂き、新しいメールアドレスをご登録ください。 http://VirtualTech.jp/mailmagazine/ ■バックナンバーについて メールマガジンのバックナンバーは、ブログ版仮想化通信に掲載しています。 http://blog.VirtualTech.jp/category/mailmagazine/ ■お問い合わせ 発行 : 日本仮想化技術株式会社 メール : kasotsu@VirtualTech.jp URL : http://VirtualTech.jp/ ----------------------------------------------------------------------------