仮想化通信

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VMware vSphere 6.0の評価をはじめました

VMware vSphere 6.0がリリースされてから数ヶ月経ってしまいましたが、先日ようやく触り始めることができたので個人的に気になる所をここに書いておきたいと思います。

1.仮想マシンハードウェアバージョンがデフォルトで11に VMwareWindows用のvSphere Clientで新しい機能をサポートしないとvSphere 5.1以前から告知していました。 その後、新しいバージョンがでるたびにESXi単体で利用する場合と、Web Clientで実装されていない一部機能を使うためにvSphere Clientがリリースされていましたが、5.0.xから5.5.xまでのvSphereは、仮想マシンをvSphere Clientで作ると仮想マシンハードウェアのバージョンが8で作られてしまい、新しいvSphereにアップグレードしたメリットが半減していました。

Hardware features available with virtual machine compatibility settings

仮想マシンハードウェアのバージョンは8からアップグレードすることはできましたが、アップグレードするにはシャットダウンが必要で、かつアップグレードしたあとはWeb Clientでないと設定を変更できなくなるという問題(これは後のvSphere Client 5.5.0-Build:1993072で修正)がありました。

vSphere 6のリリースにより、Web Client、vSphere Clientのどちらのクライアントで仮想マシンを作ったとしても、仮想マシンハードウェアバージョン11で作られるようになりました。バージョン11では仮想マシンに最大128個の仮想CPUと、4TBの仮想メモリを割り当てることができるようになったようです。

2.サポートするゲストOSが増加 もともとvSphereは多くのOSのサポートがありましたが、バージョン6でかなり多くのゲストOSをサポートしました。先日リリースされたばかりのUbuntu 15.04やWindows 10Windows 10 Serverなどがサポートされるようになりました。また、互換性リストには含まれていませんが、新規仮想マシンの作成のゲストOSとしてFedoraopenSUSE、Debian8などが追加されています。

3.vCenter Serverのアプライアンス版がサポートできるノード数が向上 これまで、小規模な環境を構築するにはアプライアンス版を、大規模になる場合はWindows版のvCenter Serverをというのがお決まりでしたが、今回のバージョンでアプライアンス版でもWindows版と同一のリソースまでを管理できるようになりました。さらにバックエンドがPostgreSQLベースのものとなったため、構築する規模に応じたSQL Serverのインストールやライセンスが不要になりました。

4.vCenter Serverのアプライアンス版のインストール方法が変更 vCenter Serverのアプライアンス版は最近のバージョンですと、OVF形式のファイルをデプロイして使うという形でしたが、今回のバージョンからWebアプリケーションベースのインストーラコマンドラインによるインストールができるようになりました。

vcenterva-1

コマンドラインの場合はJSON形式のファイルにパラメータを記述することで完全自動でvCenter Serverを構築できるようになったようです。

次回はvSphere 5.5から6.0のアップグレードについて取り上げたいと思います。