MAASにはLinux KVM hostをデプロイしてMAASの管理下に加える機能があります。このブログでも何度か取り上げています。 具体的に何をするかというと、MAASの画面からLinux KVM環境をセットアップして、そのLinux KVMホストで仮想マシンを作成し、その作った可能マシンにMAASでOSをセットアップしたり、固定のIPアドレスを払い出したりみたいなことができます。MAASを使えばOSのセットアップからLinux KVMの環境までを自動化できます。
デプロイしたLinux KVM環境はMAASによってリソース監視されます。作った仮想マシンは環境がいらなくなったらリリースできますし、マシンがいらなくなればMAASから仮想マシンを削除できます。
現在私はMAAS3.3系のバージョンを使っているのですが、このバージョンまではLibvirtとLXDをバックエンドとしたLinux KVM環境が利用できていました。
一方、MAAS 3.4以降ではvirshによるMAASでのLinux KVM Hostの管理ができなくなる可能性が高まりました。 他の情報源を見ると、どうやら前のバージョンからアップグレードした環境では引き続きvirshが使えるようですが、新規インストールではLXDだけになりそうです。
とはいえ、LXDバックエンドのLinux KVMに何か問題があるというわけではありません。むしろ便利になる面もあって、LXDバックエンドの方がMAAS Dashboardから見える情報が増える点や、LXD-Linux KVMの画面から仮想マシンの管理ができる点はvirshよりも優れています。
気になっているのは、MAASのイメージを作る際に使っている「Packer MAAS」で、イメージを作成する際にMAASでvirshバックエンドでLinux KVM環境をデプロイしていました(秘伝のタレ状態のLinux KVMのせいで変にハマると嫌なので、イメージを作るときに毎回デプロイ、いらなくなったら消すスタイルにしてます)。
問題はこっちでしょうか。 MAASを使う限りはLXDを使っておけば当面は良さそうですが、ホントこの件、どうなるんでしょうね?
JujuとMAASで使われるLXDのバージョン
ちなみにMAAS 3.3でLXD-Linux KVMの環境をデプロイしたとき、この記事を書いた2024/04/30時点でインストールされたのはLXD 5.21でした。 ちょっと前にJujuを使ってOpenStackをデプロイしたときはLXD 5.0でした。
どちらもLTSバージョンなので、メンテナンスされている間はバージョンを意識せずとも使えると思います。ホストも仮想マシンも動いているのはUbuntu前提であればという条件付きではありますが。
ubuntu@bay12-gen8:~$ snap list Name Version Rev Tracking Publisher Notes core20 20240227 2264 latest/stable canonical✓ base core22 20240408 1380 latest/stable canonical✓ base lxd 5.21.1-d46c406 28460 5.21/stable canonical✓ - snapd 2.62 21465 latest/stable canonical✓ snapd
Ubuntu以外のOSをデプロイしてみる
さて、LXD-Linux KVMで仮想マシンを作ったので、試しにOSをデプロイしてみます。
Ubuntuはデプロイすれば動くはずなので、前回作ったAlmaLinux 9イメージをデプロイしてみたいと思います。
結果ですが、問題なくデプロイできました。 Ubuntuホストで使う限りは前述の件は、特に意識せずとも良いのかなって思っていたりしています。
なお、MAASでUbuntu 24.04が使えるようになるのは、早くてもUbuntu 24.04.1がリリースされてからになると思われます。