仮想化通信

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仮 想 化 通 信 Vol.010 (2010/05/14発行)

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  日本仮想化技術株式会社メールマガジン

      仮  想  化  通  信     Vol.010 (2010/05/14)

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□■ 仮想化に適したストレージは?
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仮想化環境を設計する上で最も悩むのはストレージとして何を選ぶかです。前々回、
OpenFilerのようなNASを紹介しましたが、手軽に使う、それほど重要性が高くないシ
ステムであれば問題ありませんが、システム停止が許容されないシステムでは、スト
レージが単一障害点(SPOF)となるため、より慎重にならざるを得ません。

仮想化の特徴的な機能であるフェールオーバーやライブマイグレーションなどを使用
するには、共有ストレージが必要となります。従来のローカルに接続するDASに比べ
ると高価であることや、ファイバーチャネルiSCSIといった接続方式に技術者がな
じみがないなどの難点があります。さらにストレージ自体が様々な形で多重化されて
いるとはいえ、壊れるときは壊れますし、論理的な破壊が起きたらどうしようもあり
ません。そのためのバックアップリカバリも、最近のデータの肥大化のおかげで下手
すると許容時間内に終わらなかったり、リカバリタイムが何時間もかかるなどの問題
を抱えています。

このような問題に対する決定的なソリューションは現在のところ見あたらないのが実
状です。比較的考え方が近いのが、key-value型ストレージなどが持つ分散ストレー
ジの機能でしょうか。実装によって異なりますが、key-value型ストレージは同じ
データを2つ、3つのノードに持たせることで、データの検索性と冗長性を保っていま
す。残念ながらデータの冗長性を持たせると、同一内容を複製するのにどうしても時
間がかかるため一貫性を保つのが困難になりますが、読み取り一貫性を厳密に要求し
ないWebシステムなどでは徐々に利用が広まっています。

今後、SSDのような高速なストレージや10G Ethernetなどが普及することで、ノード
間複製のレイテンシーが無視できる程度になってきたら、1つの筐体に収めるような
共有型ストレージは過去のものになるかもしれませんね。(宮原)


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□■ 消費電力が分かるUPS
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先日、オフィス内のサーバ用UPSを交換しました。今までのUPSは1500VAのものでした
が、サーバ統合を進めて1台のサーバ上で仮想化したおかげで、消費電力はぐっと押
さえられました。そこで今度はAPCの550VAのUPSに切り替えたのですが、あわせて前
面のパネルに消費電力が表示される「APC RS 550」に変更してみました。おかげで、
サーバがどの程度電力を消費しているかが一目で分かるようになりました。

ちなみに現在は、HP ProLiant ML350 G5に3.5インチのHDDを4台載せています。他に
ISDNルータとブロードバンドルータ802.11n用の無線LANアクセスポイントなどを接
続して、大体170W弱の消費電力。数値で見れるのは、精神衛生上もいいですね。

この製品、主に家庭内などでの利用を想定しているようです。なかなか安くていい感
じなので、自宅のBlu-Ray/HDDレコーダーの電源バックアップにも利用してみようか
と思います。(宮原)


■□ 技術部コラム
□■ 仮想マシンKVM仮想マシンに変換する「virt-v2v」検証レポート
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Red Hat Enterprise Linux 6(RHEL6)の仮想化に関する情報を集めている方はご存じ
かと思いますが、RHEL6にはXenパッケージは含まれていません。したがって、RHEL6
で仮想化をするにはKVMに移行するか、Xenを自分でビルドして管理するかのどちらか
になると思われます。

RHEL6では、Xen仮想マシンKVM仮想マシンに変換して移行を支援するためのツ
ール「virt-v2v」を提供しています。このvirt-v2vを使用してV2Vの検証を行いまし
た。

virt-v2vは開発途上のツールのようで、RHEL6に含まれているバージョン0.2.0と、
Fedora 13 betaに含まれているバージョン0.3.x(失念しました)と、最新バージョン
の0.5.3では、仕様が異なるようです。3つを試した中で、うまく変換できたのは最新
版だったので、私としては最新版の利用がオススメです。

コマンドとしては、次の一文を実行するだけです。
# virt-v2v -i libvirtxml -op [ストレージプール] -f virt-v2v.conf [VM名].xml

ただ、この一文を実行するまでには、virt-v2vのコンパイル(必要なパッケージを適
宜インストール)、コマンドの引数にもあるvirt-v2v.confの作成と必要なRPMパッケ
ージのダウンロード……といった手順が必要で、やや面倒でした。資料も英語のman
ドキュメントのみで、海外を含めて手順をまとめたサイトが見あたらず、なかなか苦
労しました。

移行後は問題なくKVM仮想マシンとして使用することができました。最新版がデフ
ォルトで使用できるようになれば、かなり手軽に移行できるように感じました。また、
virt-v2vの機能的にはESXからの移行もできるようです。こちらは未検証ですが、近
々試してレポートできればと思います。

さて、詳細な手順をメールマガジンでご紹介しようとしたのですが、長くなりそうな
ので、仮想化通信ブログにて別途まとめたいと思います。XenからKVMの移行に興味の
ある方は参考にしてみて下さい。お楽しみに。(大内)


■□
□■ あ と が き
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今回の仮想化通信はいかがでしたでしょうか?

最近は、技術部コラムでも紹介しましたvirt-v2vの検証に夢中になっていました。ま
ずは一通り変換できるようになって、「これで自宅にあるサーバもXenからKVMに移行
できるな!」と思ったのですが、サーバのCPUがAtom N270でVT非対応だったことを思
い出しました。省電力で魅力的だったのですが、KVMが使えないのは辛いですね……。
(大内)

★次回の仮想化通信は5月26日を予定しています。


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