前回はvSphere 6の変更点について取り上げました。今回は旧バージョンからのアップグレードについて書きたいと思います。
VMware ESXi(以降ESXi) 5.xからESXi 6.0へのアップグレードについては、公式マニュアルの「vSphere のアップグレード」ガイドにあるようにUpdate Managerを使う方法もありますが、ESXi 6.0のISOイメージを使ってアップグレードインストールするのが簡単です。こちらの手順で説明されている方法でバックアップを取った上でアップグレードを実施します。
【実行例】
PowerCLI> Connect-VIServer 172.17.14.10 -User user -Password pass (接続) PowerCLI> Get-VMHostFirmware -DestinationPath C:\backup (指定パスにバックアップ)
シングルアップグレードをサポートする対象のESXiバージョンはVMware Product Interoperability Matrixesにあるように、ESXi 5.0以降のバージョンであればサポートしています。アップグレード時に使うESXi 6.0のISOイメージはそのメーカー向けにカスタマイズされているISOイメージを使って行います。
ESXi 4.xからESXi 6.0へのシングルアップグレードはサポートされておらず、弊社で確認したところ、次のような流れでアップグレード可能であることがわかりました。
- ESXiホストをメンテナンスモードに移行
- ESXi 4.xからESXi 5.5U2へのアップグレード
- データストアをVMFS3からVMFS5へアップグレード
- ESXi 5.5U2からESXi 6.0へのアップグレード
- ESXiホストのメンテナンスモードを解除
vCenter Server 6は5.0以降のバージョンのESXiをサポートしているので、ESXi 5.5U2にアップグレードした後vCenter Serverに追加してVMをvMotionし、クリーンインストールしてしまうのもいいと思います。
最後に仮想マシンのバージョンですが、ESXi 6.0ではバージョン4以降の仮想マシンをサポートします。しかし最新のバージョン11にすると割り当てられるハードウェアリソースを多く割り当てられるというメリットがあります。ESXiをシングルで利用している場合はvSphere Clientで選択できるOSの種類が増えるというメリットもあります。ESXi 6.0でサポートしていないOSを動かすわけでもない限り、仮想マシンのバージョンもアップグレードすべきだと思います。