MAAS 1.8でKVMのほかESXi 5.5のVMを仮想ノードとしてMAAS 1.8で使うことができるようになりました。早速弊社でも試してみました。
構築するためのドキュメントは公式ドキュメントがあるので、要点だけまとめると次のような感じです。
[2016/6/24 追記] MAAS stable PPAで現在MAASをインストールすると1.9系がインストールされます。 文中のdocs1.8をdocs1.9に置き換えると、MAAS 1.9向けのドキュメントを参照できます。
MAAS側の準備
- Ubuntu Server 14.04.xをインストール&アップデート。
- MAAS stable PPAの追加を行う。
$ sudo apt-get install software-properties-common python-software-properties $ sudo add-apt-repository ppa:maas/stable
- 以下のパッケージを入れる。
$ sudo apt-get install python-pyvmomi
* python-pyvmomi: https://github.com/vmware/pyvmomi - これ以降はドキュメントの手順に従ってインストールする http://maas.ubuntu.com/docs1.8/install.html#installing-maas-from-the-archive
MAASイメージのインポート
MAASイメージのインポートには時間がかかります。手元にミラーを作っておくと便利です。ミラーを作ったらMAASの設定でBoot ImagesのSync URLをミラーサーバーに書き換えてイメージのインポートを行います。
ミラーの作り方はこちらのドキュメント、イメージインポートについてはこちらのドキュメントの手順を実行します。
ESXi側の準備
- ESXi 5.5をインストール。パッチの適用。
- ESXi 5.5にクライアントからアクセスして仮想マシンを作成。
- 仮想マシンの設定を開き、次回起動時にBIOS画面を表示するオプションを有効化。
- VMのBIOS画面でPXEブートするように構成。
- VMが再起動するとEnlist処理が走る。
...この後はいつものようにコミッショニング、デプロイを実施すると物理ノード同様に使えました。
注意点
ESXi上のVMを仮想ノードとして追加するにはEnlistした後、MAASのノードに仮想ノードが追加されるので、次のように設定する。ポイントはAPI PortとAPI protocolの設定です。optionalと書かれていますが設定しないとうまくいかないっぽいです。
- Power Type=VMWare
- VM Name=仮想マシン名
- VMware hostname =ホスト名 or IPアドレス
- VMware username = root (仮想マシンの電源操作が仮想なロールを割り当てたユーザーでも可と思われる)
- VMware password = 上記で指定したアカウントのパスワード
- VMware API Port = 443
- VMware API protocol = https
MAAS Version 1.8.2+bzr4041-0ubuntu1 (trusty1)で検証しました。試しにこのバージョンでESXi 6の場合も試しましたが、うまく動作しませんでした。公式にはESXi 5.5とWorkstation 11をサポートしているようです。