仮想化通信

日本仮想化技術株式会社の公式エンジニアブログ

HPサーバーのGen8以降用ディスクトレイのパチモンをeBayで買う

久しぶりにサーバーネタは、HDDトレイのパチモン(偽造品)を買って試すお話です。はじめに言うとトレイは一応使えましたが、言わずもがな使用は自己責任となります。

背景

長らく弊社の検証サーバー機材として活躍してきたHP ProLiant G6世代のサーバーが、iLO2のJava Appletリモートコンソールが使用不能になるなどしてOSやブラウザの進歩に追いつけなくなり、リプレースの対象になってきました。使う分にはスペック的に悪くないのでやや惜しいですね。現在は、代わりになるサーバーとして同じくHPEサーバーのGen8・Gen9世代や、Dell R620をオークションで調達しています。

Gen8世代以降のサーバーではハードディスクのトレイ形状が変更になったため、サーバーのリプレースに合わせてディスクトレイもそれなりにたくさん必要になります。オークションの中古サーバーは大抵はディスクがついておらず、ディスクトレイのためにまだ使えるディスクごと買い換えるのも惜しいので、eBayからディスクトレイを調達しました。

買い方

eBayで[hp gen8 2.5 caddy]などのように検索するとたくさんアイテムが出てきます。トレイではなくキャディーが正しい?ようです。日本への発送に対応している商品に絞込み、価格+送料が低い順でソートして、適当なものをセレクトします。

パチモンと判別する方法は比較的簡単で、外見的にはトレイのサイドにHPロゴがあるかないかで見分けられました。また、商品によってはGen8以降のトレイの特徴とも言えるLEDが省略された分安いものもあります。潔いですね。今回はLEDつきのトレイを10個ほど調達しました。

比較

左がパチモン、右が正規品です。上から見る分には大きく変わりません。

f:id:virtualtech:20170607211924j:plain:w450

簡単に見分けられるサイド。HPロゴがないことがわかります。

f:id:virtualtech:20170608170614j:plain:w450

真上から。金属加工がいまいちなのか、沿ってしまっていますが誤差ではあります。金属加工は取っ手の付近にあるバネバネしたところもふわふわと浮いていて、折が足りない印象ですね。

f:id:virtualtech:20170608145916j:plain:w450

正面。上がパチモンです。ランプの窓が少し違う気もします。取っ手は金属製でさわり心地もふつうです。

f:id:virtualtech:20170608145504j:plain:w450

LEDの端子。端子のパターンが丸と四角で異なっています。丸くても四角くても利用上わかりませんが。

f:id:virtualtech:20170608145756j:plain:w450

地味につらいのが付属のネジ。HPサーバーでは馴染み深いトルクスネジなのですが、T15でもT10でもなく、何故かT9です。しかもセンターに突起があるのでドライバーを選びそうです。できればネジは別途調達したいですね。

f:id:virtualtech:20170609092753j:plain:w450

動作チェック

さて、これをサーバーに差し込んで起動させてみましょう。Smart Arrayがスキャンした段階で、1709で始まるメッセージが出力されました。調べてをみると、偽造品であることが見事にバレていました。正規品かどうか判別するチップが中に入っているようです。

f:id:virtualtech:20170608170704j:plain:w450

1709-Slot # Drive Array - One or more attached drives could not be authenticated as a genuine HP drive. Smart Array will not control the LEDs to these drives. Please run HP Smart Storage Administrator (HP SSA) or ACU to learn which drives could not be validated as genuine.

( http://h20565.www2.hpe.com/hpsc/doc/public/display?sp4ts.oid=7481826&docId=emr_na-c04597377&docLocale=en_US より)

メッセージ通りなら、LEDが制御されないとのことですが、起動後もアクセスランプがくるくる回るように点灯していました。他のステータス表示に支障があるのかもしれません。透け具合が正規品と違うので、写真写りもイマイチですね。

f:id:virtualtech:20170608170846j:plain:w450

iLOではDegradedという扱いにされてしまっていたため、使用中はサーバーのアラートランプが点滅を続けていました。別の部位がDegradedになったときには不便かもしれません。

f:id:virtualtech:20170608170314j:plain:w450

まとめ

見た目以上に、サーバーお墨付きのパチモンディスクトレイになってしまいましたが、一応使えることが確認できました。エラーを無視して使うことになりそうです。非純正ディスクはセンサーやベンダー独自のステータス取得等ができないなど、ベンダー的には使ってほしくないと言うのはなんとなくわかるのですが、検証が主な用途な弊社的には不自由でやや不便といった感じです。

容量ラベルを貼る部分にはペンギンさんシールを貼り付けて、識別しやすいようにしておきました。次にトレイが不足したらLED省略版を試してみたいです。

おまけ

ちなみに、パチモントレイは今回のものに限らず、旧世代のHPサーバーやDellサーバー向けのトレイもたくさん出回っています。下の写真はDellのトレイの場合ですが、レバーが正規品よりもガバって開いたり、レバーをおこすボタンの色が薄かったりします。

f:id:virtualtech:20170609093800j:plain:w450