以前、HP ProLiant ML350で世代間消費電力比較 ( http://blog.virtualtech.jp/ouchi/818 )で、社内サーバーをHP ProLiant ML350 G5から同ML350 G6にリプレースします!と予告していましたが、今月上旬にリプレースを実施しましたので、そちらの結果をご紹介したいと思います。
スペック
移行元のML350 G5は次のようなスペックでした。
- CPU: Dual-Core Intel Xeon 5120 @1.86GHz
- Memory: PC2-5300 FB-DIMM 1GB * 8 == 8GB
- HDD: 250GB*2(RAID1) + 2TB*2(RAID1)
- 電源: 850W電源×2系統
- 他: SCSIカード(PCI-X), LTO3ドライブ
移行先のML350 G6のスペックは次の通りです。HDDとLTO3ドライブは移行元からそのまま移植しました。 HDDはHPのRAIDコントローラー「SmartArray」で組まれた状態ですが、SmartArray P400搭載のサーバーからSmartArray P410搭載のサーバーに差し替えても認識してくれました。ただし、100%認識してくれるとは限らないので、必ずバックアップしてから差し替えるべきでしょう。今回の移行時にも、必要なデータをバックアップしてからの移行作業となりました。
- CPU: Quad-Core Intel Xeon 5506 @2.13GHz
- Memory: PC3-10600R 4GB * 3 == 12GB
- HDD: 250GB*2(RAID1) + 2TB*2(RAID1) ※移行元から移植
- 電源: 460W電源×1系統
- ※モノが入手でき次第追加したい
- 他: SCSIカード(PCI-E), LTO3ドライブ ※ドライブは移行元から移植
消費電力
約50%の消費電力ダウンに成功しました。
ただし、移行先サーバーでは電源が冗長化されておらず平等ではないので、別のサーバーで使用している同型の電源を挿して、同条件で測定しました。結果は次の通り、3Wほど上昇する程度で大きな変化は見られませんでした。
温度
もう一つ注目したいのは温度です。温度のデータはHPのサーバー管理機能のiLO2で確認することができます。 まずはML350 G5の温度データです。メモリ付近が82℃と、非常に高い温度です。たしかに、サーバーを停止してメモリを差し替える時なんかは、ヒートスプレッダーが熱々になっていて触れなかったりしましたね……。
- CPU付近: 38℃
- メモリ付近: 82℃
- アンビエント ゾーン: 28℃
- I/O ボード ゾーン: 48℃
そしてML350 G6の温度データはこちら。メモリは43℃と、ちょっと熱めのお風呂程度の温度になりました。G5サーバーではなかったシステムゾーンという項目がやや高めの温度を示していますが、それでも先ほどのメモリ付近82℃に比べると低い方かと思います。
- CPU付近: 40℃
- メモリ付近(最高値): 43℃
- アンビエント ゾーン: 25℃
- I/O ボード ゾーン(最高値): 42℃
- システムゾーン: 69℃
また、サーバー背部の排気も、手を当てた時の感覚的な温度が大きく変わったのがわかりました。夏場は室内が非常に熱かったのですが、サーバーリプレースによって今年は少しぐらい涼しくなるでしょうか……?
まとめ
サーバーリプレースによって、おおよその目論見通り消費電力が半分になり、排気温度も下がったので非常に満足な結果となりました。また、サーバースペックも向上してリソースに余裕ができた(CPUコア数が2コ増えメモリも4GB増に。)ので、さらに仮想マシンを増やせる状態にもなりました。 1つだけ、移行元サーバーのメモリを1GB×8ではなく、4GB×2に変更した時に消費電力と温度がどう変わるか興味がありますので、こちらについてちょっと調べてみたいと思います。
2011/6/22追記: FB-DIMMを1GB×8枚から4GB×2枚にした時の消費電力
実際に計測しましたので追記の形でレポートします。まずは共通のスペックの紹介。
- CPU: Dual-Core Intel Xeon 5120 @1.86GHz
- Memory: PC2-5300 FB-DIMM 合計8GB
- HDD: 3.5inch10kRPM 146GB SAS×2(RAID1)
- 電源: 850W電源×1系統
- 他: SCSIカード(PCI-X)
消費電力の測定は、素のCentOSを起動して、何もしていない状態で行いました。 メモリを1GB×8枚にした時の結果は222Wでした。そして、これを4GB×2枚に換装して測定した結果、173Wと、約50Wほど消費電力が下がりました。このことから、メモリ1枚当たりの容量を大きくして、サーバーに搭載するメモリの合計枚数を減らす事でも若干の節電が可能なようです。