筆者は普段、数年前に組み立てた自作PCにインストールしたUbuntu Desktopで生活しています。作業的にはWebブラウザーとEmacsが動けば十分なため、性能面における不満は特になかったのですが*1、ややファンの音がうるさいことと、机上のスペースを食うことが気になっていました。
そんな折、社内のメンバーが最近話題のLenovo ThinkCenter M75q-1 Tinyを購入したという話を聞き、数年ぶりにPCをリプレースしてみようと思い立ったのでした。
なおご存知ない方向けに説明すると、ThinkCenter M75q-1 TinyとはLenovoが販売している省スペースデスクトップ機です。Ryzen 5搭載のモデルが通常販売価格129,800円のところ、なぜか52,690円という激安で販売されており、週末はさらに値段が下がるということで、しばらく前から一部で話題になっていました。
というわけで購入&開封の儀です。
箱は意外と大きいかな? と思ったのですが、開封したらこんな感じです。キーボードやマウス、縦置きスタンドといった余計なものはすべて省いたため、本当に本体と電源しか入っていませんでした。
フロントには電源スイッチのほか、USB 3.1 Gen1のType-AとType-Cのポート、マイク/イヤホンジャックが装備されています。
背面には電源コネクタ、DisplayPort、HDMI、イーサネット、USBポートが装備されています。USBポートは4つあるものの、内訳は3.1 Gen1 x1、2.0(Powered USB) x1、2.0 x2となっています。3.1対応がひとつしかないので、挿し間違いがないよう注意が必要そうです。気になるのはグラフィック性能ですが、DisplayPortは4K60Hzでの出力が可能なため、通常のデスクトップ用途では十分ではないでしょうか。
筆者が購入したのは、メモリが8GBx1、SSDがM.2 2242の256GBというモデルです。メモリ8GBではいささか心許ないので、8GBのモジュールを追加して16GBにします。16GBx2で32GBにするという選択肢もあるのですが、筆者の普段の使い方だとそこまでのメモリは必要ないのと、8GBx1枚と16GBx2枚の価格差を考慮して、今回は見送りました。
M75q-1は、背面にあるネジを一本外すだけで、ケースを開けることができます。しかもツールレス筐体となっており、背面のネジは取っ手を起こすと素手で回せるようになっているため、ドライバーすら不要です。
ネジを外したら、ケースを全面にスライドさせるようにして開きます。2.5インチのSATAドライブを入れられるスペースが空いていましたので、余っていた250GBのSSDを入れてみました。
メモリとM.2スロットはマザーボード背面に実装されています。ケースを裏返してスライドさせるとスロットにアクセスできます。
プリインストールのWIndowsは消去して、OSはUbuntu 20.04.1をインストールしてみました。特に問題となる部分もなく、おおむね素直に動いてくれました。
一点だけ、大したトラブルではないのですが、Ubuntu 20.04でVLCプレイヤーを使って動画を再生した際に、ウィンドウを閉じてもプロセスが終了してくれず、kill -KILL
するまで次のVLCのプロセスを起動できなくなってしまうという問題に遭遇しました。この問題はVLCの「ツール」->「設定」を開き(CTRL+P)、「入力/コーデック」タブの「Hardware-accelerated decoding」を無効に設定することで解消します。
まだあまりヘビーな仕事はさせていないため、Ryzen 5やM.2のSSDのパフォーマンスはわかっていませんが、なにより机上がすっきりしたのが嬉しいですね。今後しばらくの相棒として活躍してくれそうです。
*1:なるほど、こうやってSandy Bridgeおじさんが誕生するのですね……。